阿佐ヶ谷どうでしょう。

阿佐ヶ谷のディープな飲み屋~88箇所を巡ります。


餃子坊 豚八戒


センセイのコメント

カフェ経営女性のコメント


22軒目。Danchyuとかマスコミにも頻繁に取り上げられる「餃子坊」の超有名店。阿佐ヶ谷の店というより全国区というか。

ではなんで当ページで取り上げるかというと、まさに予約が取りにくいから。六時からの回しか予約できないし、それも早々に埋まっているんで、入りにくいことこの上ない。しかし餃子バーを、わざわざ前日から予約するという使い方もヘンな気がするし。

 ところが偶然、もう前期の授業も全部終わり、講演会や準備も終わり、四時過ぎから時間が空いて、行ってみたいとなったのだ。雨が降っているからか、直接に寄ってみたら嬉しいことに3席が空いていた。

 で、6時に再訪。

 駅南口を右折、線路沿いに路地歩いた先の左の角。いちょう小路の入り口、「十六夜」の隣だ。
 

 くの字形のカウンターは9席、ぎゅうぎゅうに詰める。以前、来たときにフードライターというよりもいまや怪物文筆家になられた平松洋子さんが隣り合わせで偶然の再会を祝したりしたが、今回はなかなかに美しい女性二人が左手。右手は50代40代の私の女性の連れ、それとサラリーマン風の男性。この男性はぱぱっと食べて飲んで出て行った。綺麗な使い方だ。と思う暇もなく次の客がその席を埋める。並んでいるのか?

 私は生ビール。480円とあり、紹興酒にせよ焼酎にせよ、だいたい500円近辺。
なぜか黒糖焼酎の喜界島がある。

 きゅうりと干し海老420円を前菜に、カンパーイ。腸詰め450円は、スライスしてきゅうりに乗っている。あたためてあって、脂肪分が溶け出してなかなかうまい。白髭ねぎとシャンツァイに合うな。なんだかのんびりしてきた。

 BGMはボサノバ。何軒かの飲み屋がつながる古民家を改造してあり、しっくいの壁に赤い格子の天井。美意識的にベトナム映画のような、中国茶館みたいな風情。アジア的わびさびだな。棚は昭和の和なのに、満州風に見えるから不思議ではある。調理器具の置き方も美しく意識されている。これはセンスとしか言いようがない。

 ハンチングの旦那はにこやか。赤い頭巾の奥方は中国人で、餃子の焼き役だ。

 定番の「華餃子」がやってきた。「羽付き」焼餃子とあるが、パイみたいに丸く薄皮一枚で覆われている。まず皮をぱりぱり食べてから、黒酢とラー油につけて餃子を食らう。豚肉にキクラゲ。八角の味がして、肉汁が後からでてくる。

 「八戒餃子」は精進で、野菜のみの蒸し餃子。熱々で、野菜に野性的な味があり、肉が入ってない感じがない。北京とで食べた中国の精進料理はなるほどこんな感じだ。

ベジタリアンの方の連れも、喜んで食べている。

 隣の美女が席を立ったら、数秒でカップルが入ってきた。やはり待っていたのか?雨なのに。しかし「餃子!」と頼んで「5種類ありますが」と返されている。タベログとか見てきたのかな?なんか、店の事情はどうでもいい感じの男ではある。

 「明蝦餃子」。これが一番高くて海老の水餃子、600円。あまり海老餃子には良い思い出がないが、ここのは海老がぶりぶりしていて、椎茸も味が強い。新鮮な海老だから旨いのか。

 麻㋶水餃子、かりかりの辛子とパクチーが乗っけてあり、ラー油がかかっている。麻婆豆腐の餃子版だ。いろいろ商品開発しているな、ご主人。

 紹興酒を頼むと日本のとっくりで出てきた。その他の皿も風情がある。

 ちまきはもちごめで、肉まわりに味しみている。結構おなかが一杯になった。勘定はというと、これが3人で5300円!!連れ二人はあまり飲まなかったが、それにしても。人気があるわけだ。

 二階は四人以上なら八人までで一日一組は入れるそうだ。でも狭い店内でどうやって階段で餃子を上げるのかと思ったら、店主が背後の棚の箱に皿を入れ、ひもを下ろしてエレベーターのように上げていた。これは面白い。それで「筒」に向かって「上げました、よろしく~」と言っている。簡易な店内電話なわけだが、これがプラスチックの受話器の見た目とかブーとかいう音だと、なるほど合わない。

 旨さだけでなく、美意識の店なのでした。

(センセイ)

 並ぶ方は、他のお店の入り口をふさぐので、いちょう小路と逆側にお願いします。

 

 何度か予約をいれたり、もしや空いているかもと通りがかったが、いつも満席で外に行列ができていたり、入れた試しがなかった。今日は梅雨明けしたのに小雨模様で肌寒い、ギョウザ日和というような日でなかったせいか、5時過ぎの電話で3人の予約がとれた。因みに、阿佐ヶ谷で行列と言うとどら焼きの「うさぎや」とラーメンの「チキュウ」とここ位?

 カウンターには、仕事帰りと思しき話に夢中な20代の女性の二人組、黙々と食べている中年の男性お一人さま。カウンターは七人しか座れないのだが天井が高いせいか、鍵の字型のせいか狭さを感じず、清潔感がありいい空気が流れている。

 和紙に墨で書かれた手作り風のメニューをめくると前菜数点と餃子に特化したシンプルなメニュー構成。これなら、2.3人で行けばすべてのメニューが制覇できそうだ。

 まずは、きゅうりと干しエビの中華風、腸詰、ビールのつまみによさそう。でも、今日は昨日の二日酔いが抜けていないのでプーアール茶に。

 餃子は、精進餃子は木綿豆腐や椎茸が入っていて ベジタリアンにもok。

 続いて華餃子は、円に並べられた餃子の周りに薄い羽が広がっているように見えて、連れの女性は「わー、きれい」と歓声をあげた。そのパリパリ感を楽しむ。最後のエビの赤い身が透けて見える海老餃子は、プリプリ食感。

 仕上げに、蒸したて柔らかめのちまきをいただくとお腹がいっぱいに。杏仁豆腐までたどりつかない。

 どれも、一人前は量が多いわけではないが、三人でシェアして食べたら満腹になった。

 ご夫婦ふたりでの経営の様子で、料理を奥様が、サービスはご主人と役割がはっきり。ご主人は、やや濃いめの顔なので、黙っていると怖そうだが口調は穏やかでカウンター全体に気を配ってくださる。常連でも一見様でも変わりなく接してくださるのでおひとりさまでも気楽に入れるしこのこじんまりさが妙に居心地がよくリラックスして食が進む。

 二階は、座敷になっていて一日四人以上の団体一組を受け入れているとのこと。赤いシルクの布が垂れ下がりやや暗めの照明、やや怪しげな雰囲気もあるがちょっとした集まりに使えそう。

 常々、ソウルフードは飲食業において強みとなるとおもっているが、ここも奥様の出身の中国のソウルフードの餃子を日本向けにアレンジして成功につながっているのだと思う。

(50代カフェ経営女性)


Shop Information


店名:

電話: 03-3398-5527

住所: 東京都杉並区阿佐谷南3-37-5

18:00~24:00
月曜日休

Web:


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