阿佐ヶ谷どうでしょう。

阿佐ヶ谷のディープな飲み屋~88箇所を巡ります。


Cave(閉店しました)


センセイのコメント

ドータのコメント


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入りにくい店、39カ所目。

阿佐ヶ谷駅南口のロータリーから白木屋の角を曲がり川端通りに入った左側。ここは以前に見つけて、気に入っている。でも入りにくい。

 狭いからじゃない。 隣が「ありがた屋」だからだ。

 あの強烈なテンションの客引きを避けようとすると、つい「く」の字に折れて歩くことになり、Caveの入り口も避けてしまう。しかもその入り口が小さいので、そもそも外見ではここに店があることに気づかない人も多いんじゃないか。駅前の好立地なのに。

 だから迷惑していることにかけてはここが最大の被害者のハズなんだが、ニット帽の女性店主はほとんど意に介していないように見える。というか、距離感が、ベタついていないんだな。「隣っていや~ね~」みたいな閉鎖的ムラのような感じがまったくないのだ。

 ご主人が外国の方のせいだろうか?そのご主人は、北口の「立ち飲み風太くん」隣のGAMUSOでお見かけしたことがある。GAMUSOそうだが、Caveにも、パリやミラノの路地裏あたりにありそうな、バックパッカーが好みそうな小さな小さなバーという風情があるんだな。

 カウンター6席、それに2人席が1つ。カウンターの中は二畳もない面積にフライパンが4枚かけられ、電子レンジ・オーブン・ガス給湯器などが所狭しと詰め込まれている。

 特筆したいのが、というか声を大にしていいたいのが、Caveは料理がうまいこと。とくにパスタは、イタリアンの専門店にも勝るとも劣らないレベル。それを、この狭いキッチンでチャチャッと作ってしまうのだから、いつも惚れ惚れして見てしまう。それなのに料金は格安。

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  メニューも、ちょっと他にはないものがある。酒類としては、ヨーロッパビールや変わったウィスキーが各種。

 つまみにホムス、ヒヨコ豆のペースト400円なんて、トルコ料理やイスラエル料理みたいなものも。いつだったか、キュウリを大蒜でもんだみたいなのがあり、やみつきになったことがある。

ワタシはモヒート600円をお願いする。ライムが1/4入っていた。ちょっと甘め。

KIMG0488

 本日は、パスタが三種類(650円)ある。ただ、残念なことに、おなかが一杯。また次回、チーズのパスタを注文しよう。ここのは本当に美味しいから。

 ジュンちゃんがタコスを頼んだので、お相伴させてもらう。野菜が多く、すっぱ辛い。

 女性の一人客がふらりと入ってきて、我々で混んでいるところにさくっと入り込んだ。店主と何気ない会話をしている。

 ワタシは次は、アイリッシュを水割りで頼む。前回来たときは、緑色のラベルの見たことのないのがあったんだが、今回はジェイムソン。

 ちびちび口をつけると、なんだか日頃の窮屈な気分がときほぐされていく感じ。ほんわかとしてきた。

 阿佐ヶ谷の飲み屋って、狭い空間で知り合いになり、やがて部活に入部したみたいになって、関係が重くなることが結構ある。こういうさらっとした空気は貴重だ。旅人になったようであり、親しく扱ってくれるようでもあり。

 また、夜中におなかが空いたら来よう。お隣の客引きとワタシが距離がとれる関係になれればいいんだけどね。

(センセイ)

KIMG0487

たまにふと、部屋の隅で小さくなって本を読みたいようなときがある。

閉所恐怖症で無い僕にとって
狭い空間というものは、何か特別な安心感のようなものを与えてくれる。

さて、三軒目のcave

このお店、なかなかに狭い。

本当に、良い意味で狭い。

僕らの居るホール側はおそらく3畳ぐらいか
そして、中で仕事をしている女性の居るスペースは
冷蔵庫やコンロなどを置いてあるスペースも含めて1畳ぐらいではなかろうか。



この日の僕らは5人で回っていたので、そんなお店に5人も入ればもうなかなかに満席だ。

先に一人先客がいたが、僕らが入ろうか
入れるかと言っているような時に

ササッとお会計を済まされ、『またね』と言って扉の外へ。

結果僕らは席を譲っていただいたような形になった。

悪いことしちゃったかな、などと思いながらもお店の女性が言ってくれた
『いいのよいいのよ』という言葉に甘えることにした。



席に着くと、これまた思いのほかに安心感がある。
カウンター一枚隔てて数十センチ先にはお店の方が
両隣には今日のメンバーが。

例えば2人で来て、内緒話のような話をしたとしても
きっと丸聞こえだろうな、などとも思える店内だが
そんなことも覆い尽くすような狭さから来る安心感

メニューから僕は外国のボトルビールを頼む。
そんなにストック場所無いはずなのにけっこうな種類のお酒があるのに驚くが
フードメニューを見て、またびっくりする。

この1畳のキッチンでどうやって作るのだろうと思うぐらい
拘ったものがあるのだ。

てっきりポッキーかナッツかぐらいに思っていたところ
どう見ても手作りなんだろうと言う献立たち

その中で、Mさんが気になった
茄子のペーストに乗っかることにした。


5人がほぼ横並びにカウンターに座っているため
自然と隣の人との会話が中心になる。

お酒も入っているせいか
今日初めて会ったはずのMさんと
自然と生い立ちのような話になった。

これはきっとガヤガヤした、雑多な居酒屋では生まれない会話だったんだろうなと
今思う。

きっとお店の女性には全部聞こえてしまっているであろうが
そんなのお構いなしに会話は進む。

秘密基地や隠れ家に着いた途端に
何か互いに誰にも言っていない隠し事を告白しあったあの少年時代のように。


僕は壁に並んでいるウイスキーで飲んだことの無いものをお替りでお願いした。


明るかった店内の照明が少しだけ暗くなった。


自分のお店でもやっているので、そういった視点で見てしまうのが心苦しいが
お客さんは誰も気がつかないが、お店の人がその日の雰囲気を先に感じ取り
音や光を調節することで、知らず知らずのうちに居心地の良い空間になるのだ。

きっとカウンター越しに何か感じ取ったのか
女性は何も言わずにほんの少しだけ照明を落としたのだった。



お店は使い分けだと思う。

みんなでワイワイ飲みたいとき
一人で静かに飲みたいとき
元気が欲しいとき
とにかくチャッチャとお腹を満たしたいとき

その気分によって、自分の引き出しの中からお店を選ぶべきものであると思う。

僕は今までこういったお店に来た事が少なかったが
このお店、きっとなかなか僕も含め、色んな人の潜在的ニーズを押さえているのであろうと思う。


そして、『最期の晩餐にするとしたら何が食べたい?』と言う質問に
0.0001秒で返すほど無類のグラタン好きで知られる僕は
メニューボードにあった

【グラタン】

これだけで僕的ニーズを押さえられてしまった。


次回はこれを食べに、そして静かに語りたい時に伺おう

そしてこの夜の次の場所へと向かったのでした。

(ドータ 30代飲食店経営)


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