阿佐ヶ谷どうでしょう。

阿佐ヶ谷のディープな飲み屋~88箇所を巡ります。


ありがた屋 とりい


 2012/09/14  
センセイのコメント

ドータのコメント


以前、ハヤトと日曜日の夜にパール商店街を歩いていたら、若い女性の客引きがいた。まだ寒かった頃だと思う。

 チラシを配り、手を引いて行かんばかりにするので、今時客引きが激減した阿佐ヶ谷では珍しいと気になった。寒いので、人通りはあまりない。

 でもその日は「タロットバー・アーサ」へ行く途中だったので、お断りすることにした。

 で、2時間ほど経って帰りは駅に向けパール商店街を逆に歩いたのだが・・・またいた!

 誰もいない深夜のアーケードに響き渡る声で「どうですか~おばんさいと焼き鳥です~」と絶叫している。もう、歩いているのは僕らだけ。

 しかも、店は商店街にはなかった。100m近くは離れた、産業通りのなかほど、今の豚骨番長から入ったところにあった。そこからアーケードの商店街まで出張って客引きをしていたのだ。

 僕らにすがりつくように、哀願するような目で近づいてくるので、思わず引いてしまった。でも店じたいにはあまり興味が湧かなかったので、さらにお断りした。

 興味を持ったのは、帰宅してネットでチラシの店名を検索してからである。

 「とりい ぼったくり」うんぬんと書かれているではないか。

 この、「ぼったくり」という言葉には、少々関心がある。阿佐ヶ谷のお客って、この言葉を乱発する傾向があるやに感じていたからだ。

 もう十年も前になるが、一番街の「阿呆船」というバーで、この店はつきだしを出してチャージが1000円だったのだが、隣の席の客がお勘定の折にそれを「ぼったくり」、「ここをどこだと思っているんだ」と言い張りと女将と喧嘩していたのだ。

 「ここをどこだと思っているんだ」と言う人は、結構いる。でも、ビール一本で延々とねばられたら店はやっていけないから、飲み屋でチャージを取るのは一般的なことだ。そもそも法的にも違反でもないし。むしろ客が店を脅しているとも受け取れる。そのときはそう感じた。

 では、「とりい」はどうなのよ?と思っていたら、店舗が川端通りに引っ越してきた。夕方、日も落ちてない時間から大声で女性が客引きをやっている。駅南口のロータリーから右折して、すぐのあたり。まあ、詳しく書かなくても、呼び込みですぐ分かるでしょう。

 で、ドータ君が休みだという日に、この店訪問を提案してみた。「ぼったくりなのか、ネットでそう書く方がおかしいのか、検証訪問」である。即決で決定。五時半に駅集合だ。

 ドータは、「せっかくだから、自分から店に入るんじゃなくて、客引きにつかまりましょうよ」と言う。イベント野郎らしいノリであります。

 それでいったん店内をチラ見しながら前を通りすぎる。と、頭に髷を乗せた若い女が飛び出てきた。凄い瞬発力ではあるな。「いかがですか~」と腹から声を出している。

 頭だけ振り返ると、にこにこ笑って、手のひらを「バイバイ」のように横に振っている。

 それを見て二人顔を見合わせ、体も振り返ってみた。すると今度は、手のひらが「こっちこい」のように縦にひらひら。

 もう、乗っていいかな。「当店、焼き鳥とおばんさいの店です~、ありがとうございます~」という声に乗せられて、ご入店。

 店内は、もうド派手。でかい晩傘があり、たなばたみたいな真っ赤な飾りが10個くらいだか天井からぶら下がっている。右に六人席二つ、半円卓がひとつ。左に小上がり、6人は座れそうなのと4人席。ずいぶん広いな。

 音楽もかなりの音量でかかっている。ホイットニーとか。
 
 まず酒を頼むが、「ヱビス生680」だそうだ。なんか、割高な気もするかな。

 つきだしが出てきた。「鶏スモーク、こんにゃく、蓮根、で~す」。三連の小皿みたいな、ちょっと気の利いたのに載っている。
 
 壁にはやたらとメニューがたくさん貼ってある。しかも本日のオススメが黒板に。だいたい680~900円くらい。

 「ミミガーとキャベツのごまみそ炒め」と「豚肉のチゲ風チャンプルー」を頼んでみる。

「あらー◎◎さん」、常連客入ってきたらしく、女将が声をかけている。なかなか美人ぽい人のよう。机には「ガラス工芸作家、井村浩子氏ギャラリー併設」とか書いてある紙が置いてある。ボクサー、元世界チャンプの畑山が訪ねてきたらしい。

「井村屋のご令嬢」、と客引きの髷嬢が言う。「へえ、そうなの?」と返すと、「うっそー、信じちゃった?ありがとうございます~」。明るいというか、テンション高いね。

店内の派手な飾り付けは、お客を八百万の神に見立ててのものらしい。

 女将がチラと顔を出したので尋ねると、開店は四時、深夜二時までやっているんだそうだ。このテンションで大丈夫だろうか。

 「客引きは珍しいですね」とワタシ。「呼び込み営業やってるんです、でないと、お客さんは来ないから」と、ワタシの意地悪な質問に答えてくれる。なんか、素直な方みたい。
 

 グラスが乾くと、めざとく髷嬢は見つける。「ありがたやとりいオリジナル焼酎いががですか~モンドセレクション3年連続金賞ですよ」という。880円だそうな。ラベルに「ありがたやとりい」とある瓶。三和酒造の「本格焼酎黒酔人」が中身らしい。

 ドータによると、「焼酎メーカーから、オリジナル作りませんかって営業電話はよくかかってきますよ」、とのこと。ラベルのみオリジナルってこと?よく分からん。でも頼んでみた。焼酎の味はした。だいたい、モンドコレクションて他薦じゃないらしいしね。

 でも僕らの楽しみは、お勘定の額にある。

つきだし
一品
ビール
焼酎グラス

の4点。さて、おいくら位かしら。二人で12000円くらいなら、ぼったくり認定かな。ワタシがかつて新宿でやられたときは、二人で35000円。いくら阿佐ヶ谷といえ、12000以下ではぼったくりとは言わないな。

で、「ありがとうございます~」と髷嬢が金額を書いた紙を持ってきた。

 ナニ。6040円。

 ひとり3020円じゃない?一品750円だから、明朗会計じゃん。なんだ、と拍子抜け。

 でわでわ、と退店する。結構楽しかったよ。

 髷嬢が「いかがですか~焼き鳥とおばんさいで~す、ありがたやとりいです」と、道行く人に大きな声をかけるのを背に、我々は去って行くのでありました。

 まあ、突き出しが出てくる、ちょっと量が少ないかも知れない、逆に言えば割高。でも若い女子が元気に誘ってくれてそれに乗ったんだから、彼女へのご祝儀くらいに鷹揚に構えましょう。

 ネットで悪口書いてる人たち、マナー悪いよ。

 それから二軒で飲み、3時間は経ってから、とりいの前に戻ってきた。

 とすると、別の若い子が、髷嬢よりもでかい声で客引きをやってる。というか、めったやたらなテンション。「お酒飲んでるの?」とドータ。「いっえ~未成年だから~」とぴょんぴょん。

 どうやったらこんな特異、というか優秀な人材が見つかるのだろうか。一見の価値はあります。

(センセイ)

「ボッタクリ」というのは、本来は表示していない値段を請求する違法行為で、恐喝罪に問われたりする歴とした犯罪行為です。この店は、少々お高いが金額を明示しています。軽々しくそう表現することは風評被害を与えますから、逆に違法性を問われる可能性があります。慎みましょう。



期待値に対し
それ以下だとがっかりし
それ以上だと感動するということは
今までの経験上分かっていた。

先生からこの話を受けた時に
このありがた屋さんの事を少し調べてしまった。

何事も予習は大事だよね。

グーグルで調べようと、

【ありがた屋 とりい】とキーワードボックスに入力してみる
するとすかさず候補ボックスに

【ありがた屋 とりい ぼったくり】

と出てくる。

これは自分の目で真偽を確かめねば。

川端通りの入り口付近にあるこのお店は
いつも店頭に元気な女の子が立ち、呼び込みをしているので知っていた。

僕ら二人して

ありがた屋さんの楽しみは、あの呼び込みに引っかかるところからだろう

そして、失礼な言葉ではあるが

分かっていながら、ぼったくりにも引っかかることだろう

ダチョウ倶楽部の熱湯風呂みたく

『押すなよ!押すなよ!!絶対に押すんじゃないぞ!!!』と言った後に

サクッと押され熱湯に落ち、暴れ、
『押すなって言ったろうが!!』と言いながらも、
テレビの画的にいい仕上がりになって本人たちは満足しているあの気持ち。

お会計の時に
『えー!?こんな高いの!?!?やっぱりかー』
となって、この日のミッションは完遂するものだと思っていた。

前ふりはさておき

さて、レポート

呼び込みの女の子は表に居なかったものの
『これから飲みには行くんだけど、どの店に行くか決めてないんだよなーオーラ』を出してウロウロしていたらすぐに奥の方から飛び出してきて手招きをするのだ。

予習済みではあったが
日替わりのおばんざいと焼き鳥のお店だそうな。

少し考えるふりをしながら『ま、じゃ、ここにしましょっか』と、

今決めたように店内に入る。

小さなカウンターにテーブル席が三つ
小あがりの席が二つ
どこでもいいですよ。と言われ
僕らはペラペラの座布団が敷いてある小あがりの席に着いた。

4人座ると一杯になるであろう席だったものの
座布団は6枚敷いてあったゆえ、6人席なんだろう。

とりあえずビール(680円)を頼み乾杯。
3種類の料理が盛られたたお通しがそれぞれに出てくる。
玉こんにゃく、ささ身のスモーク、蓮根のきんぴらだったか。。

それから、壁に書いてある本日のおばんざい(各680円だったか)から2品を注文した。

(ビールがそろそろ終わりそうだな)
と思っていたら、すかさず女の子が
『お替りいかがですか?』と聞いてきたので
『おススメは?』と答えたところ
オリジナル焼酎だそう。

これがいくらかはメニューを見なかったので分からなかったが
焼酎はだいたい1000円弱ぐらいだったと思う。

ま、やや高いか。

出てきたお料理は

特筆するところは無いが家庭の味っぽくて落ち着く。

オリジナル焼酎も、良く言えば体に優しい量
悪く言うともうちょっと注いで欲しい量


一軒目で深酒は禁物。

この焼酎を飲んだところで、メインイベントお会計である。

二人で6040円。

あれ?そんなもん??

二人の率直な感想だった。

予習していたのでこの店に、料理の質やお酒の安さなどのコストパフォーマンスを求めて行ってはいけないと、期待値をある意味では下げていたのだが

それと同時に
ボったくられるかも!!?と言う
ぼったくりに対する期待値は上がっているという
変な期待を持っても入店していたため

ボったくられなかったのでガッカリ、と言う
肩透かしを食らったような、おかしな気持だった。

ありがた屋だからなのか

『メニューでーす!ありがとうございまーす!』
『こちら、生ビールでーす!ありがとうございまーす!』

『トイレはあちらでーす!ありがとうございまーす!』
などと、語尾に【ありがとうございまーす!】を付けるのは

この店スタッフの義務なのか、それに癒される常連さんも居るっぽかったし

安い居酒屋と比べると少し値は高いが
ぼったくりのレベルまではいかないのではないか
と言う二人の見解でお店を出たのでした。

(ドータ 30代飲食店経営)

 


Shop Information


店名:

電話:

住所:

Web:


“ありがた屋 とりい” への4件のフィードバック

  1. はむきち より:

    5年前に、川端通りに引っ越す前にいった事ありますけど、その時は、かなりボッタクリでしたよ_| ̄|○料理の質も、失礼ながら、あまり良くなかったです。引っ越しして、変わったんですかね?ちなみに、わたしが行った時も、呼び込みでした。

  2. fatricefarm より:

    四文屋がまだ開いてなかったんで、ふらっと入ったんですけど
    十分ぼったくりだとおもいます。
    小ビール+焼酎+二品+お通しで
    ?3260って妥当だとは絶対思いません。
    四文屋で粘れば良かった。その後の
    鳥久で山程頼めば良かった。
    いい勉強になりました。
    (ちょっと、前に記事読んでたのに…)

  3. 通りすがり より:

    >fatricefarmさん
    ぼったくりじゃなくて、そういうお店なんです。最低でも680円ぐらいなんだから普通に食べれば、3000円はいきます。阿佐ヶ谷だからって、ぼったくりにはならない。神楽坂だって、ピンキリなんです。四文屋と比べたら、さすがにぼったくり思えるけど、比べる店が間違っている。

  4. 地元住民1号 より:

    ぼったくりかどうかはさておき、割高なの確か。
    さらに、当たり前のように横行している客引きも、
    地元住民からすれば、鬱陶しい事この上ない。
    帰宅中&帰宅した後の外出でも、川端通りを通過するので、
    目障り過ぎる。周辺には住居している我々は、
    深夜まであの声を聞かされ苦痛。問題視すべきだ。

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