阿佐ヶ谷どうでしょう。

阿佐ヶ谷のディープな飲み屋~88箇所を巡ります。

酒女 うろこ


センセイのコメント

ハヤトのコメント


阿佐ヶ谷の入りにくい店を求めて64軒目。

この1年間、新著を書くことだけに忙殺されてきました。岡山県の山中にある「備中高梁」という町で、町長として後に「高梁市」が生まれる父親のような役割を果たした人物の伝記。

というと、大河ドラマの登場人物なんかと比べるとずいぶん小者に見えるかもしれません。でも、家系がスゴいんです。直系の先祖が天空の城、山頂に天守閣があってこのところ大注目されている備中松山城の城主・庄為資なのだ。高梁なんて岡山県人でもほとんど行かない場所ですが、山城マニアにはホットスポットなんである。

高梁に7回も行き、500枚も書いたので、阿佐ヶ谷の飲食店に出入りするどころではなかったんですが、やっと終わったところでカナコ嬢に「センセー、なにやってんですか、パパっと残りをやっちゃいましょう!」と急かされてBAR頻伽に行ったのでした。

そこでお見かけしたのが、ふらりと来て常連さんぼく飲んでいるグラマラスな女性。頻伽のママ曰く、「この方、新しく飲み屋さんを始められたんですよ。昼の2時から夜は8時までなのに、すっごい人気店で」。

でもその時は、お互い「あ、どうも~」みたいな気のない挨拶を交わしただけでした。私は阿佐ヶ谷で飲むのは遅い時間帯。昼間はまず酒は口にしない。縁のない店かな、と。

だいいち、いくら阿佐ヶ谷だからって、平日昼間っから飲んでる人なんてよっぽど変わり者しかいないでしょ?せいぜい夕方から閉店までが込むんじゃないのか。

て思っていたのですが、次に頻伽に顔を出したら、ママがまた曰く。「あの『うろこ』の女将のナッちゃん、なんと高梁出身らしいですよ」。なにー?それは聞き捨てならん。と俄然関心を持ったのでした。

で、カナコ嬢と3時に「うろこ」で待ち合わせ。でかい仕事も終わったところだし、本日は飲む日に決めました。阿佐ヶ谷駅南口から西のガードまで行って左折、川端通りをしばらく歩いた「Y」字の二股になっている角。

「酒女(あま) うろこ」と暖簾がある。酒女?以前の店は中が見えなかったが、今回は窓が大きく切ってあり、丸見えだ。あれ、何これ。すでにカウンターは3席しか空いてない。お隣は三人女性だ、こんな昼間っから豪快に飲んでいらっしゃる。カウンターの内にも2人、やだ、女性ばかりじゃないの。

「つきだしは三種か一種か選べます」というので、ワタシたちはいろいろ頼みたいので一種、鶏皮のピリ辛。

壁の白板にはずら~っと細かい字でメニューがあります。それと席には紙で当日のおしながき。あら、実に種類が多い。

ワタシは「知多半島のハマボウフウ天ぷら」。カナコ嬢は「林檎と馬肉のユッケ」。「馬肉はアイスランド産」、だそうです。

なんだかいろいろ面白い飲み物が書いてある。ワタシは「小笠原島レモン、クラフト酎ハイ」で乾杯~。

奥のテーブルも埋まっている。この時間から満席じゃないか(後でチャリで確認しに行ったら、土日は行列ができていて、外で飲んでるお客もあり)。女性が2人でやっているってこともあるんでしょうが、それだけなら男だけで埋まるはず。それがなんと女性多め。これはメニューが元気いっぱいだからかな。

「ホタルイカのなめろうtkg」とある。ホタルイカもなめろうも魅力的だが、tkgって何?

「卵かけご飯のことなんです~」とオセロの松島に似た女性。なーるほど。牡蠣三種できます、と言うので頼んだら、この女性がスピーディーに殻を剝いた。ただ者じゃない手つき。「真牡蠣、さっぱりしたのから順に山田湾、室津、小長井になります」。種類が違うらしい。

うーん。これは旨い、ワタシは日本酒「うぐいす」に移行しています。

「私は高梁に4年間住んでいたんですよ~、大学に行っていて」。あ、あの御根小屋(平時に行政をする山すその城)の上にある大学か。頻伽ママがワタシについて伝えてくれたらしくカウンターごしにお話できたが、どんどん注文が入って猛烈に手を動かしているんで、恐縮します。「でも東京に出てきてから、高梁に行ったことある人って初めてですよ、お会いしたの」。

食には深い興味があり、大学の勉強とは違う道を選んだらしい。「こないだはテキサスに2人で行ってきたんですよ。料理を仕入れに」。と新規メニュー開拓にも余念がない。こっちがきっと天職だわ。

じっと観察していると、カウンターの中で2人、お尻がクキクキ揺れている。踊ってるみたいに調理してるのだ。好奇心や楽しさがオーラになって溢れている。これを窓越しに見たお客は昼間から酒を飲みたくなるはずだ、とワタシもハートを射貫かれてしまったのでした。昼飲み派に転向しようかしらん。

(センセイ)




昼飲み…なんという至福!

「海女うろこ」の暖簾をくぐった瞬間、「いらっしゃいませ!」「カウンター席にどうぞ!」と女将たちの元気な声が響きました。料理長のあやかさんと大将のなっちゃん、ふたりの似顔絵が描かれた揃いのTシャツを着ています。



ただいま15時。先に座ってセンセイをお待ちする間、私の右どなりでは3人組の女性たちが「生牡蠣ウマー!」と絶叫中。センセイが到着され、ハートランドで乾杯です。

1皿目はもちろん、生牡蠣の盛りあわせ。採れた海によって味が違うそうで、私がいただいた兵庫県室津産の牡蠣は実が大きくて甘かった! 

牡蠣をさばくのは魚担当のあやかさんで、肉料理はなっちゃん担当という分業制。ふたりは10年来の飲み友達で、「こんなお店があったらいいね」を叶えてしまったというのだからそのパワーに圧倒されます。

なっちゃんが日替わりで書いているというメニューを眺めると、ドリンクもフードも凝っていて選ぶのが悩ましい…。



私が2杯目に頼んだどぶサワーは、爽やかでがぶがぶ飲みたくなる味。奈良の「きもとのどぶ」だそうです。

料理は林檎と馬肉のユッケ、いわし梅なめろう、ハマぼうふうのてんぷらをオーダー。馬肉はアイスランド(かどこかの国)のもので美味しい。てんぷらは食べるとザクザク良い音がします。




それにしても…。

ここにいるお客さんたち、なぜ昼間から飲んでいるのか? センセイも気になっていらっしゃるようで、「となりの女性たちに聞いてみてよ」とそそのかされたので話しかけてみました。

「皆さんはどういうご関係ですか?」「福祉系の職場の同僚です。2人が夜勤明けで1人が休みで、うまくタイミングが合ったんですよー!」とのことで、仲良さそう、楽しそう。

外が明るいうちから飲むと、酔いもふだんより早くまわります。魚介類の出汁を日本酒で割ったものが締めに出てきて、胃袋が旨味に満たされ大満足。

女将たちの「美味しいお酒とごはんが大好き!」という思いと細やかな仕事が、昼から多くの人を惹きつけるのだろうと思いました。ハマりそうでこわいです。




「17時だな」とセンセイが時計をチラ見。スターロードにある老舗「かわ清」が開店する時間だそうで、移動しました。センセイが「人間国宝だよ」とおっしゃるチャーミングな女将さん(御年80代!)の割烹気姿と、煮物の深い優しさに感動。途中でセンセイの奥様Sさんも合流され、さらに一番街の「Bar頻伽」へハシゴ酒…。

阿佐ヶ谷の底知れぬ奥深さと、女将たちのカッコイイ生き様を堪能した1日。この超豪華ツアーに行かせていただいたのは3月のことだったのですが、4月、飲み屋街はすっかり静かになりました。

コロナの自粛があけたら、また思いきり酒場をめぐりたい! そのときを楽しみに、今はテイクアウト酒場行脚にいそしむ日々です。

(30代、自営業)


Shop Information


店名: 酒女 うろこ

電話: 03-6336-4889

住所: 東京都杉並区阿佐谷南3-26-13

営業時間14:00~21:00

日曜営業 不定休

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