31軒目。ドータとの巡礼、本日の4軒目です。
どこまでの地域を「阿佐ヶ谷」に含めるのか、悩むところではあります。しかし青梅街道をタクシーで走っていたとき、暗闇に「ガンバラネBar」の看板が輝くのを見たときの驚きというか、ワタシを呼んでいる感じを忘れることはできません。
青梅街道沿い、新高円寺近くで餃子の「なかよし」との間の南側に、その看板は煌々と輝いていたのでありました。
真面目なのか、ふざけているのか。センスがないのか、ありすぎるのか。謎すぎる店名です。これは解明せねばなりまぬ。というわけでドータと向かう。ワタシは2回目の訪問です。
名前から連想されるテキトーさの割には、入り口は豪華です。ガラス戸を引くと、大きなカウンターがあります。そこにいきなり車イスを乗り付けて、高齢の方が飲んでいます。う~む、誰でも自由な感じ。
香の臭いが漂っています。
カウンターは十人は座れる。広いな。二人がけのソファーに四人用の卓が一つ。
我々は右のふかふか椅子に座ります。しかしこれって、バーのマーケティングでは御法度じゃないかしら。こんなに気持ちいい座り心地だと、すぐに寝入っちゃうぞ。回転が悪くなるじゃないか。そんなことを気にも掛けない豪快さが素敵。
正面はでかいモニターがあり、音楽映像が流れている。天井に抽象画。
脱原発な感じの本が並んでいます。
背後にはいっぱい古着がかかっている。ここ、古着屋も兼ねているんだそうな。その下で、飲む。居心地いいなぁ。
キャッシュ・オンだそうな。そりゃそうだろう、寝たりすればとりはぐれるだろうからね。
食べ物は、カウンターに並んでいるものいくらとっても500円也。前回は肩に刺青のある長い金髪の彼女が作るマレーシアカレーがあったんだが本日は終了とか、残念。彼女、声は低く、ハスキーボイス。リリィというよりはピーターだけど、素敵です。
ドータが「鶏の四川風」と「ポテトサラダ」を取ってきてくれる。熱い、豆腐とざく切り葱入り、熱々の味噌汁が沁みるな。
奥はスタジオみたいで、ライブもやれるらしい。お客が楽器をいじっている。店内にはカフェ的音楽が流れるのに、ビル・エバンスを無心にピアノで弾いてる客がいる。手前のソファでうつらうつらしている客も。なぜかみんな帽子かぶってる。そういえばドータもカンカン帽でした。
どうやら、どう過ごしてもオッケーらしい。
前回は内田裕也風のマスターがいたが、本日はいない。この方、ずいぶん親切だった。店のイベントとか、いろいろ話しかけてくれる。裏に庭があり、BBQもやったりするそうだ。
しかし今回は4軒目ということもあり、こうまで居心地いいと、さすがに寝込みそうだ。退散するとするかな。
と、車椅子の方が、「君たち、楽しめてないんじゃない~?ビールおごってあげるよ」。まあ、嬉しい。太っ腹な方もいて、楽しい店ではあります。マネジメント上の仕切りがまったくがないのに、賑わっている。
中央線っぽさ満載の店ではありますね。でも 店名の謎は解けなかった。だから解けるまで通いそうです。
(センセイ)
ルールが無い
これがお店にどのように作用してくるのかを実験しているお店
いや、実験とかそういうのじゃないか。
ただ、ルールが無い、以上。
青梅街道を阿佐ヶ谷から高円寺の方面にしばらく行った右側にその店はある。
明らかに周りからも、その建物からも浮いている『がんばらねBAR』と書かれた白い看板が目 印。
外から中を伺い見ると
薄暗い店内は奥にギターやアンプがゴロゴロと置いてあるためスタジオのようだ
かと思えば、古着が大量にぶら下がっていて値札が貼ってあるので古着屋のようだ
いや、あのソファーは友達の家にあったな、そうか、ここは友達の家のようだ
ん?でもカウンターがあるからバーなの!?
となる。
勇気を出して扉を開ける。
店員さんは基本的に脱力系。
例の友達ソファーに腰を沈めメニューを見てビールをオーダー
ビールやグラスは店員さんがいるカウンターまで取りに行くスタイルだ
そして、その場でお金を払うキャッシュオンスタイルでもある。
カウンターに並んでいる料理は一人500円で食べ放題。
そんなに種類があるわけでも、それぞれが大量にあるわけでもないので
それぞれを上品な量を、お皿に取って席に戻った。
この日は
ポテトサラダと鶏肉を少し辛いソースで和えたもの
ご飯、お味噌汁
いいタイミングで行けば絶品マレーシアカレーにありつける日もあるそうだが
この日はそういったタイミングではなかったようだ
友達ソファーでそれらをつまみながら飲んでいると
さっきまでカウンターにいた女の子が
バーの中に入っていた。
かと思えば、僕らの後ろの席に居た髪の長い男性もバーの中に入り談笑している
お客さんがお店の人で、お店の人がお客さん。
吊るされた古着にはそれぞれ、値段が貼ってあるが
飲んでいて『あ、ちょっと服でも買っていこうか』とはなかなかならないが
もしかしたらこの店ならば、そういう展開もあり得てしまうのではないか
とも思う◎
目の前にあった3000円の服の状態を見ていると
ロン毛で腕にタトゥの入った男性が
入口から発泡スチロールを抱え威勢よく入ってきた
開口一番
『ホタテが届いたぞ!』
店内の数人がその一言で
発泡スチロールに群がった。
明日はホタテが500円のメニューに並ぶのか
いや、このお店の人なら、『これから焼いて食べようぜ!』
ってなってしまうのではないかとも思える。
なんせルールなんてないのだから。
『秋刀魚もあるぞ!』
店の奥の倉庫や、古着が吊るされた下のどこかに七輪ぐらい転がってそうだ
店員さんと、お客さんが煙をもくもくさせながら
焼いている姿を想像した
うん、きっとこの店ならあり得る。
ルールが無いお店と言うものは
評価が難しい、がこれはこれでアリなんじゃないか
と思ってしまう
お店がフラットだからこそ
自分がフラットになれる。
これからどちらにも転がっていける
そんなことを思うことが出来るお店。
(ドータ 30代飲食店経営)